高濃度乳房(デンスブレスト)とは?
マンモグラフィ検査とエコー(超音波)検査併用の必要性
日本人を含むアジア人女性では、欧米人と比較して、‘高濃度乳房(デンスブレスト)’の方が多いとされています。特に若年(20-40歳代)では多くみられる傾向があります。
乳房内の乳腺実質の量と分布は「乳房の構成」として評価され、病変が正常乳腺に隠されてしまう可能性の程度を示します。
- 脂肪性
- 散在性
- 不均一高濃度
- 極めて高濃度
このうち、不均一高濃度と極めて高濃度を併せて’高濃度乳房(デンスブレスト)’と呼びます。
マンモグラフィ検査では、乳腺実質は白く描出され、高濃度乳房の方ほど、その白さは強い傾向にあります。一方、乳腺腫瘤は白く映るため、背景の白さの程度により、本来発見しなければいけない腫瘤が隠れてしまう可能性があります。
そのため、当院では、マンモグラフィ検診を受診された方で’高濃度乳房(デンスブレスト)’にあたる方には、結果と共にお伝えし、次回検診ではマンモグラフィ検査とエコー検査の併用をお勧めしております。
マンモグラフィ検査とエコー(超音波)検査、どちらを受けたほうがいいの?
乳がん検診におけるマンモグラフィ検査とエコー検査は、検査画像や病変検出方法が異なり、それぞれ得意とする面と、不得意となる面があります。
たとえば、マンモグラフィ検査では微細な石灰化病変や構築の乱れを発見しやすく、このような所見はエコー検査単独では同定が難しい場合もあります。一方、エコー検査では、小さい病変の検出や、’高濃度乳房(デンスブレスト)’における腫瘤の検出に優れており、放射線被ばくや痛みもなく受診者の負担が少ないという特徴があります。